伝統的な金融機関も新たな手法を打ち出しています。ブルームバーグのアナリストによると、Tuttle Capitalが「Crypto Blast」というETFの申請を提出しました。これは、オプション戦略とデジタル資産の配分を深く組み合わせた複合的なアプローチです。

具体的にはどう運用されるのでしょうか？この商品の設計思想は非常に賢明です。まず、毎週満期のプットスプレッド戦略を用いて時間価値を獲得し、オプション料収入を得ることを狙います。同時に、未使用の証拠金資金をBTC、ETH、SOLに連動する暗号資産ETFに投資します。簡単に言えば、左手でデリバティブを使って価格変動リスクをヘッジし、右手で主流通貨の市場エクスポージャーを間接的に獲得する仕組みです。この構造は、安定したキャッシュフローを求めながらも暗号市場の動きを逃したくない機関投資家のニーズにぴったり応えるものです。

もしこの申請が承認されれば、大きな意味を持ちます。これはウォール街が正式にデジタル資産を従来の構造化商品に取り込む道を開いたことを示し、暗号市場が資産クラスとしての認知度を高めている証拠ともなります。一般投資家にとっては、より低いハードルと規制をクリアした参加方法となり、自ら取引所口座を開設せずに証券会社を通じて投資できる可能性も出てきます。

もちろん、最終的には規制当局の対応次第ですが、伝統的な金融と暗号の境界がますます曖昧になる中、このようなハイブリッド商品が新たな常態となるのか、今後も注視が必要です。