トランプが10億ドルの損害賠償を要求！BBC会長が謝罪、CEOが辞任

トランプは英国放送局（BBC）に対して法的措置を検討しており、その理由は2024年米大統領選挙の直前に放送されたドキュメンタリー番組で、2021年1月6日に行った演説を悪意を持って編集したとされるためです。
この番組はBBCの主要なニュース番組の一つである「Panorama」です。この番組は、トランプの2021年の演説の異なる部分をほぼ1時間の間隔で引用し、連続したスピーチのように見せかける編集を行いました。この“作り出された”演説の中で、トランプは支持者に対して「行進し、必死に戦え（fight like hell）」と呼びかけました。
削除された部分には、トランプが支持者に平和的な抗議を望む旨を明確に述べた内容も含まれています。
トランプの弁護士アレハンドロ・ブリト（Alejandro Brito）は書簡の中で、「虚偽、誹謗、中傷、扇動的な発言を直ちに撤回し、公開謝罪を行い、トランプ大統領に対して適切な賠償を行うよう求める」と述べました。これに応じない場合、BBCは最大10億ドルの損害賠償請求を受ける可能性があります。
トランプの法的チームのスポークスマンは、「BBCは故意かつ欺瞞的な編集を行い、大統領選挙に干渉しようとしたことで、トランプ大統領を誹謗中傷している。トランプ大統領は、虚偽や欺瞞、偽情報を流す者たちの責任を追及し続ける」と述べました。
BBCのスポークスマンは、「この書簡を検討し、適切な時期に直接回答する」と述べました。
この動画編集に対する懸念は、最初に漏洩したメモによって提起されました。そのメモは元記者であり、現在はBBC編集諮問委員会のメンバーであるマイケル・プレスコット（Michael Prescott）が作成し、最初に英国の新聞デイリー・テレグラフによって報道され、先週公開されました。
11月10日早朝、BBCの会長サミール・シャー（Samir Shah）は、演説の編集に関する「判断ミス」について英国文化・メディア・スポーツ委員会（CMSC）に謝罪の手紙を送りました。
シャーは、CMSCの議長キャロライン・ディネージ女爵（Dame Caroline Dinenage）宛ての手紙で、「この演説の編集方法は、外部に対して暴力行為を呼びかける印象を与えるものであったことを認める。BBCはこの判断ミスについて謝罪する」と述べました。
シャーは、動画編集の問題は2025年1月と5月に開催されたBBC編集指導・基準委員会で議論されたと述べました。
この問題は、委員会がBBCの米国大統領選報道の更なる調査を委託した一環として議論されたものであり、特定の番組に対する苦情によるものではないとしています。「審査の中で提起された意見は、Panoramaチームに伝えられ、編集の決定についても含まれていた。後になって、より正式な対応を取るべきだったと反省している」と述べました。
シャーの謝罪は、前日である11月9日に行われました。この日、BBCの総裁ティム・デイヴィー（Tim Davie）とニュースの最高責任者デボラ・ターネス（Deborah Turness）は辞任を発表しました。
トランプは11月9日午後、Truth Social上でこれらの辞任についてコメントしました。
彼は、「BBCの幹部、特に総裁のティム・デイヴィーは辞任または解雇された。彼らは私の1月6日の素晴らしい（完璧な！）演説を“改ざん”したことが発覚したからだ」と書きました。
「Telegraphがこれらの“腐敗した記者”を暴露してくれたことに感謝する。彼らは非常に不誠実で、大統領選挙に不正な手段を使おうとした。何よりも、彼らは我々の同盟国と考えられる外国から来ている。民主主義にとってどれほど恐ろしいことか！」。
この検閲された番組は2024年10月28日に放送され、「トランプ：第二のチャンス？」（Trump: A Second Chance?）というタイトルでした。現在、BBC iPlayerでは視聴できませんが、編集された断片の一部はYouTubeで見ることができます。
この「Panorama」番組は、トランプの2021年1月6日の演説の異なる部分を編集し、支持者に対して「国会議事堂に行き、一緒に戦おう」と伝えたかのように誤解させる内容となっています。
編集されたバージョンは、「私たちは国会議事堂に行きます。私は皆さんと一緒にいます。戦います。必死に戦います。もしあなたたちが必死に戦わなければ、あなたたちの国はもう存在しなくなる」となっています。
元の演説では、編集された最初の部分「私たちは国会議事堂に行きます。私は皆さんと一緒にいます」は演説開始後15分頃に登場し、「必死に戦う（fight like hell）」というフレーズは54分以降に出てきます。
また、この番組は、「プラウド・ボーイズ（Proud Boys）」という団体のメンバーが、大統領の呼びかけに応じて国会議事堂に行ったと示唆しています。