ダークネット市場が現金化するとき：Abacusの消失劇の内幕

Abacus Marketが突然消えたことで、暗号資産アンダーグラウンドがざわついている。このプラットフォームは、競合他社が摘発された後、西側のダークネットマーケットシェアの70%を静かに支配していたが、7月初旬に何の説明も、押収通知もなく完全に闇に消えた。

兆候は数週間前から

TRM Labsは、この崩壊の発端を6月下旬にまで遡っている。突然出金トラブルが急増し、管理者「Vito」は、最近摘発されたArchetyp Marketからの新規流入者とDDoS攻撃を理由に挙げた。だがユーザーは納得しなかった。日々の入金額は$230k からわずか$13kに激減し、数週間で94%もの落ち込みとなった。

エグジット詐欺か、密かな摘発か？

ここからが注目ポイントだ。Abacusはオフライン直前、月間取引高$6.3百万という記録を打ち立てていた——このタイミングは計画的にも思える。過去にも、ピーク時に撤退したDNM運営者（AgoraやWhiteHouseMarketなど）は、しばしば訴追を免れてきた。彼らの常套手段は、「資金をかき集め、法執行機関が動く前に消える」というものだ。

2021年のローンチ以来、総取引高は$3億〜4億と見られる。もし運営者が本当にエグジット詐欺を働いたとすれば、膨大なユーザー資金を手にしたことになる。

ダークネット・エコシステムの今後は？

これは単発の事件ではなく、西側DNMが高まる圧力の中で総崩れしている兆候だ。ユーザーやベンダーは既に暗号化メッセージアプリや地下の代替サービスへと移行し始めている。最大の疑問は、規制当局がこの隙に規制を強化するのか、それとも来月には新たなマーケットプレイスが空白を埋めるのかという点だ。